咳止めシロップやトローチなど、pholcodine(フォルコジン)を含む55の製品が、致命的なアナフィラキシー反応を引き起こす可能性があるとして、オーストラリアの薬品・医薬品行政局(TGA)によって28日、リコールされました。
今回のリコールは、全身麻酔の際に筋弛緩剤として使用される特定の医薬品に対するアナフィラキシー反応のリスクが、フォルコジンを含む医薬品と関連しているために行われるものです。
フォルコジンは、特に乾いた咳(ドライコフ)を治療するために、シロップやトローチなど、幅広い市販の医薬品に使用されてきました。また、風邪やインフルエンザの症状を治療する製品に、他の医薬品と組み合わせて使用されています。
一般的な家庭でも利用されている、BenadrylやCodral、Chemists' Own、TerryWhite、Priceline、Difflam, Bisolvon、Duro-Tuss なども対象となっていると、ABCは報道しています。
TGAはご自宅にある市販の風邪薬やインフルエンザ治療薬に、フォルコジンが含まれていないか確認するよう呼びかけており、もし含まれている場合は、医師や薬剤師に代替の治療法を提案してもらうよう述べています。
TGAの責任者、ジョン・スケリット教授は、麻酔中にアナフィラキシーのリスクがある人を確実に予測することは難しいとし、また患者の多くは最近フォルコジンの医薬品を服用したかどうか分からない場合がある、と今回のリコールについて説明しています。
「緊急手術を受ける患者の中には、麻酔科医と全く話ができない状態にある人もいるかもしれません。また、手術施設では、患者がどの処方薬を服用しているかを尋ねることはあっても、市販品については尋ねないかもしれません」
スケリット教授は、全身麻酔を予定している人で、過去12ヵ月以内にフォルコジンを服用したことがある場合は、医師に伝えることを勧めています。
また、医師に対しては、全身麻酔を受ける予定の患者が過去12ヵ月間にフォルコジンを服用していないかどうかを確認する必要があると訴えています。
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今回TGAによって行われた調査は、欧州医薬品庁(EMA)による、欧州におけるこれらの製品の販売認可の取り消しを勧告するレビューに続いて行われました
欧州の調査結果は、西オーストラリアの研究でもフォルコジンが危険因子であることが示され、支持されました。
またTGAは、2月9日までに、フォルコジンの関連が疑われるアナフィラキシー反応による1名の死亡例を含む、50例の報告を受けています。
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