メリッサ・カーボネルさんは、10年前にコロンビアからオーストラリアに移り住みました。ご主人と共にモーニントン・ペニンシュラに引っ越すまでは、数年間、刺激のあふれるメルボルンに住んでいました。
「引っ越したのは、思い切った変化がほしかったからです。町の喧騒から離れて、もう少しゆったりした静かな場所で暮らしたいと思ったんです」と話すメリッサさんですが、家が買いたかったことも決断した理由のひとつだと話しています。
なぜオーストラリアの田舎に移り住むのか
田舎に引っ越す理由にはいろいろありますが、住居費の安さと仕事の見込みがまず挙げられるでしょう。オーストラリア全体で、遠隔地は労働人口を求めています。
Settlement Council of Australia のCEO、ニック・テビーさんは、オーストラリアの田舎暮らしはコミュニティーを育てると確信しています。「都会を抜け出して、地に足をつけて暮らせること、もっとゆったりしたペースで、人とのつながりももっとしっかりしている場所に移るというのは魅力的です。特に、もともとそういう場所から来た人たちにとってはね」
Rathamile Radebe helps prepare floats on Peel Street during the Tamworth Country Music Festival Cavalcade on January 28, 2017. (Lisa Maree Williams/Getty Images)

しかし、各種サービスやインフラがどの程度整備されているのかが、田舎暮らしを考えている人にとっては大きな課題です。
通常、オーストラリアの田舎に移り住むということは、自分のコミュニティーや言語の中で暮らせなくなる、と言うことを意味しますが、必ずしもそうとは限りません。
また、ビクトリア州の町ベンディゴの北にあるピラミッド・ヒルでは、フィリピン人コミュニティーが盛んで、 町にはフィリピン食料品店まであるほどです。 「町の人たちはコミュニティーが活性化したと喜んでいます」と、 Regional Australia Institute のCEO ジャック・アーチャーさんは話しています。
Pyramid Hill, Victoria (Wikimedia/Mattinbgn C.C. BY A 3.0)

引っ越すにあたってMaking the move
都会から田舎への移住は簡単なことではありません。「オーストラリアに10年前移住してきて、初めは友達を作ったり仕事を見つけたりするのが大変でした」と話すのは、メリッサ・カーボネルさんです。
「だから、ビクトリアの田舎に引っ越すのは、また移民になるような気分でした。また適応するのがちょっと大変でしたけど、思ったほどでもなくて、慣れるのは前回より早かったです。言葉が出来るようになっていたから、仕事や友達を探すのがもっと簡単になってた、ってこともあるでしょうね」
メリッサさんは、モーニントン・ペニンシュラにすっかり馴染んでいます。ビーチに程近い家を持ち、地元のガーデニング雑誌で仕事を得たうえに、赤ちゃんももうすぐ生まれます。
田舎への移住を考えている人に対しては、アーチャーさんもテビーさんも、自分にとって一番いい地域を見つけるためにしっかりリサーチすることを薦めています。
お住まいの地域の移民センターに問い合わせて、地方でのいろいろな機会を紹介してくれるかどうか確かめてみるのもいいでしょう。興味のある場所が既に決まったら、その自治体に問い合わせて、移民情報センターがあるかどうか確認してみてください。
Rohingya refugee Kobir Ahmed working inside a grocery store. (ELIZABETH BAI/AFP/Getty Images)

そして、決断を下す前に、まずその土地を訪ねてみることをアーチャーさんは薦めています。「まず候補地のリストを作って、いろんな人に話を聞いてみてください。それから、その町にある団体に問い合わせて、実際そこに行ってみて、いろんな人と話をしてみるといいでしょう」
「わざわざそのコミュニティーを訪れて地元の人と話をして、どんな機会があるか見極めれば、きっといい反応が得られると思いますよ。どこへ引っ越すのもそうですが、移住という大きな決断を下す前に、実際に自分の目でその場所を見て、どんな暮らしが出来そうか、確認できればそれに越したことはありませんよね」と、アーチャーさんは話しています。