2023年UCI BMXレーシング・ワールドカップ第10戦が、現地時間の15日朝、アルゼンチンのサンティアゴ・デル・エステロ開催され、エリート・カテゴリーに参戦していた日系オーストラリア人の榊原爽選手(24)が優勝。2023年度のBMXワールドカップ年間総合チャンピオンに輝きました。
榊原選手は総合3位、オランダのローラ・スマルダースのタイム32秒976をわずかに下回る32秒074でゴールを決めました。
一度はBMXをあきらめかけたという榊原選手は、14日の第9戦と、9日同じくアルゼンチン・サンティアゴ・デル・エステロで開催された第8戦でも勝利をあげており、3連勝。第3戦と第6戦でも勝利をあげており、イギリスのオリンピック金メダリスト、ベサニー・シュリーバー(3044点)選手を抑えて総合3775点でシーズンを終えました。
東京五輪の準決勝で転倒した後、脳震盪の症状が長期化し、競技からの離脱を余儀なくされてきた榊原選手にとっては悲願の勝利となりました。
「去年の今頃、脳震盪で家にいたときは、まさか自分が総合優勝して、こんなに成功したシーズンを送れるなんて思ってもいませんでした」
「(昨年は)間違いなくどん底でした。すべてあきらめようとも思いました。でも、勇気を出して、もう1度熱く挑戦。それが報われました」
「苦しい時期を乗り越えることがいかに大切かということです。今年は多くのことを学びました」
榊原選手は今回のタイトルを、兄で元BMX選手である魁さんに捧げました。
魁さんは2020年初頭にBMXレース事故で生死をさまよう重症を負いました。現在は賢明なリハビリの傍ら、TBI(Traumatic Brain Injury・外傷性脳損傷)サバイバーとして自身の経験を伝える活動も行っています。
「兄のカイに(勝利を)捧げます。(彼の)背番号77を背負えることはとても名誉なことです」
榊原選手はディフェンディング・チャンピオンとして2024年シーズンを迎えます。第1、2戦は2月10~11日にニュージーランドのロトルアで、第3、4戦は2月24~25日にブリスベンのホームで開催されます。
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